近年では「3DCG動画」の需要が高まり、企業のPR動画や製品紹介などで多くの企業が使用しています。3DCGの活用シーンは多岐にわたり、メリットや用途を理解することで通常の2D動画では表せない動画を作成できます。
そこで今回は、3DCGの概要やメリットについて解説します。3DCGの制作事例なども詳しく紹介するため、今後導入したい方はぜひ参考にしてください。
目次
1.3DCG動画とは
3DCG動画は、3次元コンピュータグラフィックスで作成された動画であり、2DCGでは表現できないクオリティーの動画を作成できます。3DCGはパソコンなどで作成するため、実写のように撮影をしなくて済みます。実際に動画を撮影しないため、現実世界では撮影できないような非現実な3DCG動画も作成可能です。2DCGと3DCGそれぞれの特徴を理解できると、ご自身の動画作成がどちらで作成するとよいかを判断できるでしょう。ここでは、2DCG動画と3DCG動画との違いについて解説します。
2DCG動画との違い
2DCG動画は、2次元コンピュータグラフィックスで作成した動画であり、3DCG動画と比べると動画のクオリティーは全く異なります。
3DCGの動画との違いとしては、立体感の違いがあります。2DCG動画は平面的な画像や図形を組み合わせて作成しますが、3DCGは立体的なモデルで作成するためリアルな映像を表現できます。
動作作成後の修正のしやすさも、2DCGと3DCGとでは異なります。2DCGでは動画の視点を変えたい場合は、一から作り直しが必要です。3DCGの場合はカメラ視点をそのままに修正が可能なため、修正のしやすさで3DCGを選ぶ方もいます。
2DCGで動画を作成すると、リアルな動画を作成するのには限界があります。想像力や技術を考慮したうえで作成する必要があり、自由な表現が難しいです。3DCGの場合は、物理法則に従ったリアルな表現が可能なため、建物の設計図を作成する際にも使用されます。
2DCGで動画を作成する場合は、一つひとつのパーツごとに色や大きさを指定して描く必要があります。しかし、3DCGの場合はそれぞれの大きさの数値を設定するだけで作成できるため、効率的に動画を作成できます。
2.3DCG動画を活用するメリット
3DCG動画は2DCG動画にはないメリットがいくつかあるため、ご自身の作りたい動画に応じて選択するのが望ましいです。ここでは、3DCG動画の4つのメリットについて解説します。
リアルな仮想空間が表現できる
3DCGで動画を作成すると、リアルな仮想空間を表現できます。したがって、実際に撮影できないシーンを作りたい場合に向いています。細かな動きや現実世界で撮影が難しい動画などは、3DCGで作成するのがよいでしょう。3DCG動画作成は、天候の影響に左右されません。雨が降っているシーンや台風のシーンを利用したい場合は、3DCGで理想的な空間を作成できます。また、特殊効果により煙や炎、爆発などもよりリアルに再現できます。魔法を使うような映像では、実際の撮影では難しいため3DCGを利用して作成するのが望ましいです。
商品開発と動画制作が同時進行でできる
3DCGで動画を作成すると、商品がまだ完成していない場合でも、同時進行で作業を進められます。3DCGを使用しない場合は、PRを行う商品を先に完成させる必要があり、完成するまでに時間がかかるデメリットがあります。商品を企画して生産から販売までの時間を短縮したい場合は、3DCGで動画を作成するのがおすすめです。また、商品開発と動画制作を同時に行えるため、細かな部分を修正しながら作業を進められます。アイデアをみつけやすく、効率的に作業できるメリットがあります。
実写動画に比べてコストを抑えられる
実写動画に比べると、3DCG動画はコストをおさえられるメリットがあります。実写動画は演者や撮影者、機材などの人件費が高いです。撮影費用が高いだけでなく、編集にも費用が発生するため、コスト面をおさえたい場合にはあまり実写動画はおすすめできません。また、 3DCG動画は完成した動画を使い回しができるため、似た商品の動画を作成する際はコストが安くなる場合があります。修正点をリクエストするだけで、次のPR動画を作成してくれる業者もあります。
修正も実写動画に比べて簡単にできる
3DCG動画は、実写動画に比べると修正しやすいメリットがあります。実写動画では、撮影不備やミスがあった場合は撮り直しを行う必要があります。しかし、3DCGで動画を作成するとデータや映像を編集するだけでよいため、編集の手間がかかりません。また、3DCGで動画を作成すると依頼者の要望も反映しやすいメリットがあります。実写撮影ではカメラアングルや演者のポーズなどが、依頼者の要望どおりにならないことがあります。一方、3DCGで動画を作成すると照明の明るさやカメラアングル、音響などは簡単に調整できます。品質の高い動画を作成したい場合は、3DCGで動画を作成するのがおすすめです。創造性や発想力をそのまま動画にすることが可能なため、理想の動画を作成できます。
3.3DCG動画の用途
3DCG動画は、複雑な動画であってもイメージ通りの映像を作成できます。3DCG動画を使用するシーンは数多くあり、どのような場面で使われているかを知っておくことが重要です。ここでは、3DCG動画がよく使用される3つのシーンについて紹介します。
建築物の紹介
建築物の紹介動画には、3DCG動画が使用されることが多いです。たとえば、家を建てる前のモデルハウスや建物の観光案内の動画などで使用されます。2DCG動画では、立体的に表現することが難しく、構造や細かな部分を再現できません。3DCG動画では、平面ではわかりづらい情報をより正確に表現できるため、建築物の構造紹介などによく利用されています。3DCG動画は建築物の構造だけでなく、ものづくりの動画などにも使用されることがあります。精密機械や自動車の制作過程において、3DCG動画を利用すると作成過程をリアルに紹介できます。立体的な映像を用いることで閲覧者にイメージをもってもらいやすく、会社のPR動画に利用する会社もあります。
製品や商品の紹介
3DCG動画は、製品や商品の紹介にも利用されます。よく利用される紹介動画としては、コピー機や浄水器、食器棚、洗面台照明などの使用方法や作成過程の動画などがあります。これら以外の商品でも、立体的に紹介したほうがよい場合は3DCGでPR動画を作成することが多いです。製品や商品の紹介動画を3DCGで作成する最大の目的は、よりリアルに感じてもらうためです。消費者が商品を買いたいと思ってもらうには、商品を手にするイメージが湧かないといけません。そのため、3DCG動画のようなリアルな動画作成を作成するとよいでしょう。3DCG動画はリアルさだけでなく、インパクトを強く残せるメリットもあります。通常の動画だけでは、競合他社と差別化できずに消費者の購買意欲は上がりません。自社の商品に特別性を感じてもらうためにも、3DCG動画を作成して魅力を高める必要があります。
キャラクターのアクション
3DCG動画は、キャラクターのアクションなどにも使用されます。立体感のある映像により、仮想空間をよりリアルに演出できます。激しい戦闘シーンやシリアスな悲しいシーンなどで3DCGを利用すると、視聴者にも感情移入してもらいやすいです。また、3DCG動画は細かな動きも調整できるため、創造性をそのまま反映できます。現実世界では撮影できない動きも再現できるため、視聴者の興味を引きつけられます。キャラクターの販売を行う場合は3DCG動画の導入が必要不可欠です。キャラクターの外観をよりリアルに伝えられるため、3DCG動画を導入すると視聴者の購入意欲を高められます。
4.3DCG動画の制作ステップ
3DCGは、通常の動画作成と少し異なる手順で作成します。ここでは、人物の3DCG動画作成を例にして7つのステップに分けてひとつずつ詳しく解説していきます。
三角図面の作成
まずは、三角図面を作成します。三角図面の作成を行うことで、3DCGの大きさや形を決定します。三角図面の作成は非常に重要であり、上手く作成しないと完成した3DCG動画が不自然になってしまいます。三角図面は、三角形を使用して輪郭や形を形成します。三角形の数に応じて動画の質が変わり、数が多いと読み込みが重くなる特徴があります。質の高い三角図面を作成するには、技術と経験が必要です。
モデリング
三角図面を作成したら、モデリングを行います。モデリングをすることで、3DCGの骨組みが完成します。モデリングは三角図面をもとに調整し、専用のソフトウェアで作業をします。三角図面を調整するために、大きさを調整したり結合したり、切り取ったりすることでバランスを整えます。希望の動作の3DCG動画を作成するには、モデリングを丁寧に行うことがポイントです。
ポリゴンに着色
モデリングを終えたら、ポリゴンに着色をしていきます。三角図面の表面を構成する図面をポリゴンといい、表面に色を塗ることで一気にリアル感が増します。まだこの段階では完成ではありませんが、ポリゴンに色を塗ると質感を再現できます。ポリゴンに着色する際は専用のソフトウェアを必要とし、テクスチャを決める必要があります。ポリゴンの向きや形に応じてテクスチャを貼り付けるため、専門知識と技術が必要です。テクスチャの選択次第で、キャラクターや商品の映像のクオリティーが変わるため、非常に重要な作業といえます。
リギング
ポリゴンに着色を塗り終えたら、リギングを行います。リギングとは、作成データを動かせるように筋肉や関節を設定することです。リギングを行う際に、点線などで細かな動きのラインを決定して、動かせる範囲や角度を微調整します。点線の数や角度により、動かせる範囲が異なるため、微調整を何度も繰り返す必要があります。
スキニング
リギングが終わると、スキニングを行ってよりリアルな映像に近づけます。スキニングとは骨格と皮膚をつなぎあわせることであり、動きに応じて変化するように設定します。リギングの際に設定した数値をもとに、どのぐらい影響をあたえるかなどを細かく設定します。作成したい映像により数値の大きさが変化するため、動作を確認しながら作業を進める必要があります。
ライティング
スキニングが完了すると、ライティングを行ってより立体感がでるように調整します。ライティングとは光や影の調整のことであり、物体に影をつけることでよりリアルな3DCGに仕上げます。ライティングを行うには、光の当たる向きや大きさを意識する必要があります。テクスチャによっては、光の当て方で伝わる印象が大きく異なるため、作りたい映像を考えながらライティング作業を進めなければいけません。
レンダリング
最後にレンダリングをして、完成した映像を書き出します。レンダリングの方法によっては完成した映像の質が変わることもあるため、解像度や出力方法を意識しなければなりません。レンダリングを行うと、物理法則に従ってより動きがリアルになります。動画のサイズや再生の長さを意識して、適切な方法でレンダリングを行う必要があります。
5.3DCG商品紹介動画を外注する場合の注意点
3DCG動画を作成したい方は、動画制作会社に依頼するのがおすすめです。
3DCG動画は専門知識と技術が必要なため、初心者の方では作成は難しいです。簡単な3DCG映像ならば、専用のソフトウェアを使用すると、動画制作会社に依頼しなくても作成できる場合があります。しかし、動画制作会社が作成する3DCG動画と比べると、動画のクオリティーはまったく異なります
また、動画制作会社に依頼すると、オリジナリティのある動画を依頼できます。実績のある動画制作会社に依頼すると、依頼者の要望どおりの動画を作成できるメリットもあります。メリットはそれだけではなく、3DCGの動画制作は費用の削減にもつながります。実写で映像を作成するよりも、人件費などのコストをかけずに動画を作成できます。動画作成のためだけに専門のクリエイターを採用しなくても済むため、費用をおさえたい方は3DCGで作成を依頼しましょう。
3DCGの動画作成を動画制作会社に依頼する際は、ご自身の希望の動画を作成してくれる会社を探す必要があります。業者によりサービス内容が全く異なるため、どのような動画を作成してくれるかを事前に調べておくのが望ましいです。
3DCG動画を動画制作会社に依頼する際は、いくつか注意する点があります。ここでは、具体的にどのような点に注意して動画制作会社に依頼すべきかを確認しましょう。
実績が豊富な業者に依頼する
3DCG動画の作成を依頼する際は、実績が豊富な業者に依頼しなければいけません。
3DCG動画を作成してくれる業者は多くあります。業者により専門とする分野が異なるため、ご自身が必要とする動画制作の実績があるかを確認する必要があります。あまり実績のない業者に依頼すると、希望どおりに制作できないことがあります。業者の実績を確認する際は、依頼したい業者の公式ホームページを確認しましょう。公式ホームページを確認すると、今までの実績を記載している場合があります。もし実績を記載していない場合は、今までにどのような3DCG動画を作成したかを直接確認することをおすすめします。
綿密に連絡が取れるかを確認する
依頼する業者の連絡頻度も確認してください。希望の3DCG動画を作成するには業者と連絡をこまめにとる必要がありますが、連絡があまりとれなければ要望を細かく伝えられません。依頼や相談をする際は、業者の人柄もあわせて確認してください。連絡頻度だけでなく、どのような方法で連絡できるかも確認しましょう。なかにはメールでしか対応していない業者もあり、電話対応を行っていない場合があります。電話対応がなければ、問題があった際にすぐに対応してもらえません。すぐに相談したい状況もあるため、メールだけでなく電話対応を行っているかも確認してください。
6.3DCG動画の制作事例
3DCG動画は、さまざまなシーンに利用されます。実際に利用されたことのある「七月設計」の制作事例をもとに、どのような動画を作成できるかを確認しましょう。
洗面室照明
洗面室照明の紹介動画として、3DCG動画を利用するケースがあります。特徴的な洗面室照明を紹介する場合は、3DCG動画で作成するとイメージをもってもらいやすいです。洗面室照明の取り付けから使用までの流れの手順を具体的に示すことで、消費者の購入意欲が高まります。一般的な洗面室照明であれば、通常の動画で作成しても問題ありませんが、デザイン性がある洗面室照明や使用用途がわからない洗面室照明の場合は、詳細な動画で説明をしたほうがよいでしょう。とくに壁に直接取り付けるタイプの洗面台照明の場合は、どのように設置するとよいかイメージしづらいです。設置方法や使用方法が理解できないと、顧客の購入意欲が下がる可能性があります。
医療器械
医療機器は、3DCG動画で作成するのがよいでしょう。病院に来た患者に対して、医療機器の使用方法や使用効果などを3DCG映像で確認してもらうことで、安心して治療を受けてもらえます。また、美容業界でも3DCG動画は活躍します。とくにエステなどの業界では、皮膚の汚れや洗浄する映像を3DCGで確認してもらうことで、サービスを受けたいと感じる顧客を大幅に増やせます。美容関係の医療機器と3DCG映像は、相性がとてもよいです。エステの効能は目に見えないことが多く、医療機器を使用しても効果が得られるか疑問に感じている顧客も多いです。そのため、インパクトのある3DCG映像を見てもらうことで、疑問が確信に変わりサービスを受けたいと感じる方が増えるでしょう。
掃除機
掃除機のPR動画として、3DCG動画を作成する場合があります。掃除機の使い方の説明だけでなく、大きさや長さ、厚みなどをリアルに感じてもらえます。また、掃除機に水を入れるような特別な機能がついている場合は、3DCGで紹介すると効果や性能を実感できます。ほかの掃除機にはない機能がある掃除機を紹介する際は、3DCG映像が必須といえるでしょう。掃除機を購入したい方の多くは、掃除機の性能や音の大きさを気にします。掃除機の説明が文字だけだと購入者もイメージしづらいため、3DCG映像でリアルさを追求するとよいPR動画を作成できるでしょう。
7.作成案内
今回は、3DCG動画を作成するメリットや用途について解説しました。3DCG動画はさまざまな場面で使用されており、メリットを理解して依頼するとご自身の希望するリアルな映像を作成依頼できます。3DCG動画作成を依頼すると、人件費を削減できるため総合的なコストも軽減できます。初心者では3DCG動画の作成は難しいため、実績や評判のよい動画制作会社に依頼しましょう。
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